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エキュメニカル集会めぐり独枢機卿が議論

 【ビーレフェルト(独)=ENI・CJC】カトリック教会の枢機卿3人が、5月末にベルリンで開かれた『エキュメニカル・キルヘンターク』(教会大会)を巡ってメディア上で論議を交わしている。約20万人が参加したこの大会、カトリックとプロテスタントが共催した正式集会としてはこれまで最大のものとなり、「キリスト教の一致の道に大きな前進」との評価もあったほど。
 しかしバチカン(ローマ教皇庁)教理省長官のヨーゼフ・ラッツィンガー枢機卿が「浅薄」と決めつけるなど批判の声が上がり、ドイツ教会の指導者カール・レーマン枢機卿は弁護に乗り出した。キルヘンタークがカトリック教会内に混乱を生み出したと、ケルンのヨアキム・マイスナー枢機卿も指摘している。
 レーマン枢機卿は「ここで私は正義と真実のために、(ラッツィンガー、マイスナー両枢機卿には)同意出来ないことを公表する、とカトリック系新聞に掲載された記事で、語った。
 ベルリン集会で論じられた主な問題が聖体(聖餐)。プロテスタントとカトリックが共に分かち合うことについてであった。バチカンが禁止していることから、その緩和を求める意見は圧倒的な支持を得られた。
 「私は教会大会が空騒ぎだったのが不安だ」とマイスナー枢機卿は、批判を重ねている。「エキュメニズム(世界教会主義)は現実主義と勇気から生まれるもので、あいまいな希望からではない」と言う。
 これらの批判は、ドイツのカトリック教会が5、6年後に予定されている次回大会を支持するかの議論の中で出て来たもの。
 レーマン枢機卿は、教皇ヨハネ・パウロ2世が大会にメッセージを送り、「信仰においてキリスト者を結び付けるものは、分裂させるものより強くかつ重要であることを大会は示した」と述べている、と指摘した。
 ベルリン大会でカトリック側の共同議長を務めたハンス・ヨアキム・マイヤー氏も、ラッツィンガー、マイスナー両枢機卿の批判に反発している。有力政治家でもあるマイヤー氏は、20万人の参加者の中でカトリックが7万人と推定されることだけでなく、枢機卿5人を含め司教40人がベルリン大会に参加したことを、ラッツィンガー枢機卿の発言は侮辱するものだ、と言う。
 ベルリン大会に出席し、講演した人の中には、教皇庁キリスト教一致評議会議長のワルター・カスパー枢機卿もいた、とマイヤー氏は指摘している。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/08/12