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『ユダヤ人にキリストを』運動に「不快」と英で抗議

 【CJC=東京】伝道団体『ユダヤ人をキリストへ』が出した広告がユダヤ人を誹謗するものか、英国の広告審査機関ASAが検討している。イスラエル紙『ハーレッツ』が伝えた。
 英国ユダヤ共同体の包括的組織『代理委員会』は、広告が「意図的で攻撃的」だとしてASAに排除を要求した。
 『ユダヤ人をキリストへ』英国支部はこの7月に全国的なキャンペーンを開始、有力紙『タイムズ』『インデペンデント』に広告を掲載したり、ロンドンではユダヤ系住民の多い地区近くなどの主要駅にポスターを貼り出した。ボランティア多数が『ユダヤ人をキリストへ』のリーフレットを市内各所で配布した。
 広告には、エルサレムの西壁を背景に超正統派のユダヤ教徒6人が描かれている。その1人は『ユダヤ人をキリストへ』の赤いシャツを着ているが、そこには「自ら考えよ」と記されている。これに対してユダヤ人社会から不満の声が高まり、委員会がASAに苦情を申し立てた。
 ASAのネヴィル・ネグラー理事長は書簡で、「この広告は、ユダヤ人のほとんどは『自ら考える』(イエスを信じるような)ことが出来ず、それゆえ幸いを得られないという主張に基づき、それを宣伝しようとするものだ』と述べている。
 これはに大いに異論があり、英国のユダヤ人大多数への重大な攻撃だ、としてユダヤ人側が広告の即時排除を要求したもの。
 ASAは、委員会から苦情を受けたことを確認、さらに多くの人々が苦情を直接伝えて来たと言う。調査結果は来月発表される。
 『ユダヤ人をキリストへ』英国支部長ジョセフ・スタインバーグ氏は、『ハーレッツ』紙の質問に「私は聖書と新約聖書が真理であり、そしてイエスが救い主だと信じる。全世界の何十万も同様にそう信じている。メッセージを問題にする代わりに、ユダヤ共同体指導者はメッセージの送り手を標的とすることにしたのだ」と語った。
 スタインバーグ氏は、キャンペーン自体「攻撃的でないばかりか、ユダヤ人からも広告は非常にユーモラスだと思うと言ってくる。私は新たな戦略を立て、さらに広範囲に訴えることを決めた」として、今回のキャンペーンは終わったと言う。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/08/18