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十字架上のキリストといった伝統的なイメージは止めるべき、と英広告会社

 【CJC=東京】「これでは教会でなくなってしまうではないか」と憤慨する声も出そうだが、英国の広告専門家の意見では、教会に人々を引き付けるためには、十字架上のキリストといった伝統的なイメージや聖句の引用などを盛り込んだポスターは問題外ということになる。英紙ガーディアンが報じた。
 もしも教会が出席者減少をどうにかしたいならば、むしろ美しい賛美歌を歌うことや心に迫る話し合いなどにキリスト教のイメージを変えるべきだ、と広告会社2社が提案している。
 宗教的なイメージではなく、教会の交わりのメンバーとなるとか、興味を持たせる説教を聞く機会など、教会に行く社会的側面を強化することに教会の指導者は集中すべきだ、と言う。
 この提案は、礼拝出席を奨励することを目的にしたもの。なぜこのようなことになったかと言うと、英国のキリスト教誌『クリスチャニティ・アンド・リニューワル』の発注に応えたもの。
 サセックスに本拠を置く『カメレオン・アドバタイジング』社は、ニュースや友人を得る場所として教会を宣伝すべきだ、と言う。その提案には、鉢の中の金魚に「誰かに本当に話し掛けたかったのはいつのことでしたか」というメッセージを添えたイメージもある。同社のガイ・ラプトン常務は、人々が決心した時に教会に迎え入れることが主要な目的だ、と語った。「人々が説教を聞きたがっているとは思えない。また十字架上のイエスのような伝統的なイメージは必要ない」と言う。
 一方、リンク・ICA社は、教会が自らを「魂のための薬」の提供者として宣伝するべきだ、と主張する。
 「生命を得よ。教会に行こう」と言うフレーズと共に医者、救急車のイメージを使うとを提案した。「とても難しい仕事だった。これが広告として打って良いものなのかも考えた。石けんとか炒り豆とか休日の旅行など明確に広告するものと異なり、取り組みは慎重にしなければならなかった」と同社のジョナサン・ウイルコック部長は指摘している。「『生命を得よ。教会に行こう』を打ち出すことにしたのは、多くの人々がすてきな自動車、家、伴侶を持っていても、なお何かが欠けていると感じる時が来るからだ」と言う。
 『クリスチャニティ・アンド・リニューワル』のジョン・バッカリッジ編集長は、教会に行く可能性のある人への広告は「意味がある」ことだとして「多くの日とが霊性に関心を持っている。神を知りたいと思い、霊的な経験のある人で教会に行かない人が、文字通り数百万人いるが、ドアの所に何があるのか、本当に気づいていないのだ」と言う。
 2001年の調査では、33%の人が宗教は自らの生涯に重要だ、と言っている。しかし日曜礼拝の出席者は7・5%で、1975年の18・5%以上と比較すれば激減していることが分かる。世論調査センターの調査によれば、英国国教会の会員である、と自認する人は1983年以来4割も減少しているのだ。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/08/26