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マザー・テレサの実像描くコミックがスペインで

 【マドリッド=ENIT・CJC】カルカッタ(現コルカタ)の聖女と呼ばれ、ノーベル平和賞も受賞した『神の愛の宣教者会』の創設者マザー・テレサを記念する国際映画祭がこの11月に開かれるが、それにマザーの生涯と活動を描いたコミック(漫画)作品も参加することになった。
 映画祭は、カトリック映画祭製作者・監督などの世界的な組織『シグニス・インターナショナル』が主催する。
 コミック『5番目の言葉(仮訳)』 はスペインのパソアルト社製作。製作者のパブロ・マルセト氏は、作品はマザーの生涯と活動に出来るだけ密着して描き出したと言う。脚本執筆には神学者の助言もあった。最終稿は宣教会の現会長シスター・ニルマラが目を通しており、「マザー・テレサの精神が誠実に伝えられている」とマルセト氏は語る。
 一方、映画祭委員会は、英BBCの記録作品と、ドミニク・ラピエール監督の作品の参加申し込みを拒否した。いずれもマザーの人格を巡る論議を引き起こしたものだから、と言う。
 コミックのタイトルに関して、マルセト氏は 「マザー・テレサが掲げた偉大なモットーのひとつで、「あなたがなされたのは私のため」という意味の聖句に関わっている」と言う。
 マザー・テレサにとって、英語では最後の5番目に来る「私(me)のため」が最も重要だった。「me」こそが、貧者のためになしたことは全て神とともに、また神のためになしたことを想起させたのだ、という。
 製作者は、この作品をカンヌ映画祭などにも出したい、と言う。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/09/29