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バチカンが国連加盟国になるのに障害はない、とソダノ枢機卿

 【ローマ=ZENIT・CJC】聖座(バチカン)は国連の加盟国になる用意は出来ている、とバチカン(ローマ教皇庁)の国務長官アンジェロ・ソダノ枢機卿が9月18日語った。
 イタリア北部ソンドリオで開かれたバンコ・ポプラル銀行の会議で演説した同枢機卿が「国際法によれば、理論上は、聖座が将来、国連の加盟国になることに障害はない。またこのことは、国連というシステムに属する専門的な機関が果たす役割を念頭におくなら、聖座にとって別に奇異なことではない」と述べたもの。19日付けのイタリア紙『アッベニーレ』が報じた。
 現在、聖座は国連の常駐オブザーバーで、会議での発言を認められているが、投票資格はない。ただ国際的には1978年以来、聖座は82の国と外交関係を樹立、現在は174国に達している。
 「国際的な領域でのローマ教皇の主権はその時の権力によって決定されるものではない。国際法は、聖座がそれ自身の精神性に於いて国際秩序の中に位置づけられていることを認めている」として、枢機卿は教会の「外交的な」活動を果たすことにおいて、二つの目的が追求されていると語った。教会の持つ正統的な善の保護と推進、信仰に関わりなく全ての人への奉仕、がそれだと言う。
 聖座が「経済力を考慮して行動することはなく、説得の力と対話の忍耐だけによって立つ」理由だ、と枢機卿は付け加えた。
 「その宗教性のために、聖座は常に平和最優先を強調する。その普遍性のために、世界中のすべての重大な状況を注視している。そして最後に、その人道性のため、聖座は人々のためになるように、すべての適切な処置がとられることを主張する」と言う。
 イラクの現状に関して枢機卿は「我々は、イラク人自身と国際社会の関わりを求め、それで平和が中東で究極的に達成されることを求めている」と語った。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/09/29