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ローマ教皇、腸の不調理由に一般謁見中止

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)は9月24日、教皇ヨハネ・パウロ2世(83)が同日朝に行う予定だった一般謁見(えっけん)を腸の不調を理由に中止したと発表した。
 教皇はこれまで、サンピエトロ大聖堂で毎週水曜日の一般謁見を欠かさず行っている。10月16日に在位25周年を迎える教皇だが、謁見を健康上の理由で直前に中止したのは異例。
 24日の一般謁見は、アンジェロ・ソダノ国務長官が教皇に代わって行ったが、教皇は電話を通じて「あなた方と一緒にいられず残念だ」と肉声でメッセージを送り、深刻ではないことをアピールした。
 教皇は避暑のため、今夏もローマ郊外カステルガンドルフォにある「夏の館」に滞在したが、欧州の異常な酷暑で体力を落としているとされ、9月になっても同館に滞在していた。バチカンのナバロ=ヴアルス報道担当によると、教皇は23日午後に腸の不調を訴え、担当医は、さらに教皇の体力が衰えれば合併症の危険が出てくる、として公務を中止し休息をとるよう勧めたという。
 教皇は81年の暗殺未遂事件の際、腹部に複数の銃弾があたり、緊急手術を受け、その後も腸の手術を2回受けている。持病のパーキンソン病は、2年前に病状が進み歩行が困難になったが、その後は持ち直していた。
 ただ9月11日からのスロバキア訪問では健康悪化が目立ち、初日の空港でのあいさつを始め、あいさつや説教を側近に代読させる場面が何度もあり、健康不安説に再び火が付いていた。
 昨年6月の故国ポーランド訪問では「私の死後、私のために祈ってください」と述べるなど、この所、教皇の弱気が目立っている。
 教皇は25日夕、避暑先からバチカンに戻った。教皇はこの日午前、フィリピンの司教団と会見するなど公務に復帰したという。バチカン消息筋は「教皇の公務中止は長引く可能性もある」と指摘していた。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/09/29