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教皇の病状誇張しないよう、秘書が要請

 【CJC=東京】教皇ヨハネ・パウロ二世側近の補佐役、司教会議会長ジョバンニ・バチスタ・レ枢機卿が10月3日、教皇の健康が危ういという説には根拠がないと語った。
 1日に教皇と昼食を一緒にした枢機卿は「教皇は強い男、頭脳明晰、世界についてもはっきりした見解を持っている。もちろん教皇は、話すのに困難を覚え、特に疲れている時にそうなり、歩行にも問題はある」と言う。
 パーキンソンなどの持病を抱える教皇は、9月11日にスロバキアを訪問した際、あいさつを側近に代読させたほか、24日には腸の不調のため、定例の一般謁見を中止したため健康上の不安が再浮上したが、同月末から公務に復帰している。3日も教皇は謁見(えっけん)など予定を完全にこなした。ただ10月は教皇就任25周年関連の行事など日程が詰まっており、これをいかに乗り切るかが、注目される。
 レ枢機卿の声明は、ウィーンのクリストフ・シェンボルン大司教が2日、国営オーストリア放送のラジオで「教皇ヨハネ・パウロ2世は死が迫っている」と述べ、教皇の健康状態に強い懸念を示したとして、メディアが一斉に教皇の健康懸念説を流したことに対応するもの。
 放送後、大司教の報道担当は「発言は哲学的なものだ」と話し、発言を文字通りに受け取らないよう求めてはいた。
 9月30日には、教理省長官のヨーゼフ・ラッツィンガー枢機卿が「教皇の具合は悪い」と語ったと独ブンテ誌が報じた。24日、水曜恒例の一般謁見を体調不良を理由に欠席した後だけに深刻に受け止められた。
 これに対し、教皇の私的秘書を務めるスタニスラウ・ドジヴィスツ大司教は、「ラッツィンガー枢機卿は、雑誌を見て、コメントがねじ曲げられたと泣いていた」として、メデイァが病状を誇張しないように、要請した。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/10/06