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ローマ教皇が新たに枢機卿31人指名、浜尾文郎大司教も

 【CJC=東京】ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世は9月28日、新たに31人を枢機卿に任命した。指名されたのは30人で、その内7人は、移住・移動者司牧評議会議長の浜尾文郎大司教(73)などバチカン(ローマ教皇庁)の閣僚級の大司教、19人が世界各地の主要教区長である大司教。大司教以外の4人が教会への貢献が評価されて選ばれている。残る1人は、「インペクトーレ」と言われ、教皇の胸中で任命したとされ、名前などは公表されていない。
 就任式は、教皇の在位25周年祝賀行事に合わせ開かれる枢機卿会議で10月21日に行われる。
 枢機卿は、ローマ・カトリック教会で教皇に次ぐ地位の聖職者。これまで計164人おり、うち教皇が死去した場合、選出会議(コンクラーベ)で投票権を持つ80歳未満の枢機卿が109人だった。教皇選出には投票権を持つ枢機卿が120人必要とされ、足りない場合は教皇が追加任命する。
 今回の指名は、教皇が自らの意に沿う後継者選出を実現するため、教皇選挙権を持つ枢機卿内に間接的に影響力を行使しようとの意思の表れと見られる。これで枢機卿は195人になった。そのほとんどがヨハネ・パウロ2世の指名による。新たに指名された30人のうち80歳未満の総数は明らかにされていないものの、教皇選出のための必要数は満たしているものと見られる。
 教皇は、バチカンのサン・ピエトロ広場に集まった人々を前に30人の名前を自ら読み上げた。バチカンの閣僚級からは、浜尾氏のほか、ジャン=ルイ・トーラン国務省外務局長、レナート・ラファエレ・マルティーノ正義と平和評議会委員長、フリアン・エランス法文解釈評議会議長らが選ばれている。エランス氏は『オプス・デイ』の指導者。教区関係では、ベトナム・ホーチミンのジャン=バプチスト・ファム・ミン・マン大司教が任命されている。
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 浜尾文郎枢機卿(73)は1930年、東京都生まれ。57年12月に司祭となり、80年〜98年まで横浜教区長を務めた。98年6月、教皇庁の移住・移動者司牧評議会議長に任命され、大司教となった。現在の枢機卿メンバーでは白柳誠一氏に続き2人目の日本人。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/10/06