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カンタベリー大主教がバチカン訪問、教皇と会見

 【CJC=東京】ローワン・ウイリアムズ・カンタベリー大主教が10月3日からバチカン(ローマ教皇庁)を訪問した。大主教は4日、ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世と初めて会見した。
 大主教は初日の3日、教皇庁キリスト教一致推進評議会議長のワルター・カスパー枢機卿と会談した。同枢機卿は、英国国教会が公然同性愛者を司祭に叙階したことは、カトリック教会との関係に影響を与える問題だ、と語った。
 同枢機卿は、バチカン放送ラジオで「私は、同性愛聖職者は英国国教会内部の問題であるだけではなく、カトリック教会と我の関係に影響を与える問題でもあるから、自分の懸念を表明した」述べている。
 会議の終わりに、カスパー枢機卿はカトリック教会と英国国教会が聖母マリアに関する共同文書作成が完了していることを明らかにした。
 双方の神学者と聖職者による委員会が執筆した文書は、教会の生命と教義におけるマリアの役割に焦点を合わせたもの。委員会は、マリアの被昇天と無原罪の宿りに関し福音書に照らしての教義、また双方に共通な古代からの伝統について検討を重ねて来た。
 公然同性愛者の聖職叙階に関して、カスパー枢機卿は「我々はカトリック教会のカテキズムに表された明確な立場を保持している。我々はまた、この点に関し共通の遺産を持っている。彼ら(英国国教会)がこの共通の伝統を捨てないことを希望する」と述べている。
 大主教は4日、教皇と10分間会見した。教皇は英語で、大主教に英国国教会が公然同性愛者を司祭に叙階したことから、両者間の関係に「重大な困難」が生じたと警告した。教皇は、明らかに疲れを見せ、話すことも困難な様子だったという。
 大主教は、事前に準備されたスピーチを行なったが、教皇の発言には直接言及せず、「キリスのト教会の完全な目に見える一致へ私の献身を再確認することを喜ぶ。あなたもそれを担われている」と語った。

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/10/06