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世界の宗教指導者がカザフスタンで会合

 【ワルシャワ=ENI・CJC】(ジョナサン・ラクスムーア記)世界の17宗教の指導者がカザフスタンの首都アスタナ(旧アクモラ)で9月23、24の2日間会合、信仰を基盤にした不寛容や暴力と戦うため協力することを誓った。
 『世界宗教と伝統宗教の指導者会議(仮訳)』というこの会議には、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、仏教、ヒンズー教、道教始め11宗教の指導者が参加した。
 「極端主義、テロリズムなど宗教の名による暴力は宗教の真の理解に何の関係もない。しかしそれらは人間の生命に対する脅威であり、それ故否定されなければならない」と、最終宣言は述べている。
 「我々は、宗教間の相違を憎悪と不一致の道具とすることを許さないためにあらゆる努力を重ねる用意がある。それは人類を宗教と文化の世界的な対立から救うためだ」と言う。
 最終宣言で会議参加者はさらに、貧困、飢餓、非識字、病気、非道徳などが世界の安定を脅かしていることを認めた。
 会議は、カザフスタンのヌルスルタン・アビシェヴィッチ・ナザルバエフ大統領が議長を務めた。ルーテル世界連盟のイシュマエル・ノコ総幹事始め、ロシア正教会、ギリシャ正教会からも出席があり、バチカン(ローマ教皇庁)からはヨーゼフ・トンコ枢機卿が参加した。
 中国始めアジア各国の仏教代表や、ユダヤ教アシュケナジの主任ラビ、ヨナ・メッガー氏、神道関係では薗田稔氏(国学院大学教授)も出席した。
 ナザルバエフ大統領は、アスタナの人民会議場に隣接して『全宗教の家』を設ける計画を発表した。それは教会、モスク、ユダヤ教会堂、仏教寺院を含むことになるという。
 イスラム教スンニ派が優勢なカザフスタンでは、モスクが1988年の46から2002年には1623に急増した。一方ロシア正教会も62カ所から225カ所に増加した。
 ルーテル世界連盟の示唆により、次回会議を3年以内に開催するよう準備することとなった。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/10/06