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教皇はノーベル平和賞もらうべきか、超越しているか

 【CJC=東京】2003年度のノーベル平和賞は、イランの人権活動家シリン・エバディ氏の受賞が発表されたが、在位25周年を迎える高齢のローマ教皇ヨハネ・パウロ二世(83)がもらうとの予測もあっただけに、教皇『落選』にイタリア人は落胆している、と言う。イタリアの民間会社が10月10日の平和賞発表直後に1000人を対象に電話世論調査を実施したところ、イラク戦争に反対した教皇が平和賞にふさわしかったと答えた人は77%に上った。毎日新聞が報じた。
 同紙はまた、ポーランドの自主管理労組『連帯』を率いて1983年に平和賞を受賞したワレサ元同国大統領が10日、地元テレビで「大きな間違いだ。今年のノーベル平和賞にふさわしい存命者がいるとすれば教皇だ」と述べ、失望感を表明したとも伝えている。
 英紙『タイムズ』は10日付けで、ノルウェーのノーベル賞委員会が2週間ほど前にバチカンに対し、教皇にノーベル平和賞を授与するとすれば、教皇は受けるかどうかを打診した、と報じている。
 同紙は教皇庁筋の情報として、この打診に対してバチカンは、もし教皇が選ばれるなら平和賞を受け取ると伝え、12月10日にオスロで行われる授賞式に出席することも保証した、と報じていた。
 ただ国務省長官アンジェロ・ソダーノ枢機卿はロイター通信に「教皇は平和の使者だ。ある機関がそれを承認するのは結構なことだが、教皇はそうした事柄から超越している」と述べたと時事通信は伝えている。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/10/13