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プーチン大統領が『国外のロシア正教会』代表と会見

 【ソフィア=ENI・CJC】(クライブ・レヴィエフ・ソーヤー記)ロシアのプーチン大統領が、ニューヨークで『国外のロシア正教会』代表と会見した、と日刊紙『プラウダ』が報じている。分離した教会とモスクワ総主教座との関係修復を側面から支援するものと見られる。
 分離は旧ソ連時代、ロシア正教会がクレムリン(ソ連政府)の支配体制に協力していることへの反発から起きた。
 プーチン大統領は「ロシアは先進国の仲間入りを遂げつつあり、『国外のロシア正教会』との関係も同様にあるべきだ」と言う。
 両教会が対話を始めるべきだという問題は、ロシア総領事館で9月24日行われた会談で提起された、と両教会の関係者が語った。
 『国外のロシア正教会』の首座である、ニューヨークと東部アメリカのラウルス府主教と、主教会議のメンバーが、対話の可能性などについてプーチン大統領に説明したという。
 プーチン大統領は、自身と『モスクワと全ロシアの総主教』アレクシー二世のため、ラウルス府主教ら代表団にロシア訪問を招請した。
 プーチン大統領はさらに、ザライスクのメルキュリー主教と、両教会間の対話の可能な形式を論議した。
 25日、ロシアのインターファクス通信は、モスクワ総主教座が国外ロシア正教会との一致をなお可能と考えている、と報じた。国外教会は全世界に300教区ある。
 モスクワ総主教座のヴセフォロド・チャプリン報道担当は「神が我々に一致をもたらすことを信じる。特に革命、内乱、冷戦といった分裂の歴史的原因はすでに解消しているからだ」と述べている。
 同報道担当は、ロシア正教会が『国外のロシア正教会』にこれまで対話を繰り返し呼びかけており、「この呼びかけが聞かれることをなお望んでいる」と言う。
 両教会は1990年代に非公式の接触を始めた。『国外のロシア正教会』は他の正教会とは聖体を共にする関係がない。指導者の中には、モスクワ総主教座が、他教派とエキュメニカル(教会一致を目指す)な関係にあることを非難する人もいる。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/10/13