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「同性愛主教の選出は残念」 聖公会世界共同体が声明

 【CJC=東京】英国国教会(聖公会)の首位聖職者で、聖公会世界共同体(アングリカン・コミュニオン)でも霊的最高指導者と目されるローワン・ウィリアムズ・カンタベリー大主教の招集で、共同体を構成する全管区指導者38人の内、1人を除いて全員がロンドンのランベス宮殿で10月15、16の両日会合した。
 指導者たちは、米国聖公会がこの8月に同性愛を公言しているジーン・ロビンソン司祭を主教に選んだことなどについて協議、結局「非常に残念」とし、11月2日に主教就任が実現すれば、「アングリカン・コミュニオン自体の将来が危機に直面する」との声明を発表した。
 ウィリアムズ氏はこれまで「信仰に忠実な同性愛関係を認めるのが持論」と寛容な姿勢だったが、アフリカなどの保守派指導者が米の動きを強く批判、同性愛主教が実現した場合には脱退も辞さない構えを示していた。
 指導者たちはまた、カナダのニューウエストミンスター教区で同性愛者の結合祝福を認めたことについても懸念を表明した。「これらの行為は、我々の共同体の一致を危うくするだけでなく、キリストの教会の他の部分、我々の宣教と証し、他宗教との関係を脅かす」と声明は述べている。
 声明はさらに「管区の相互依存体制は、教義をあたかも全共同体のものであるかのようにして一方的に変更する権限は誰にもない」と付け加えた。1998年に開かれた全世界の主教によるランベス会議は、実践的な同性愛関係を「聖書に適合しない」と宣言している。
 指導者たちは16日、ウイリアムズ氏に、管区間の問題でカンタベリー大主教の果たすべき機能に関する委員会を設置するよう求めた。委員会は12カ月内に報告することとされた。ただ共同体内の各管区は自立が前提とされており、委員会の機能も限定されよう。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/10/21