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教皇、在位25周年の特別ミサ 「神に託された使命を全うしたい」

 【CJC=東京】世界の10億人のカトリック信者の最高指導者であるローマ教皇ヨハネ・パウロ二世(83)は10月16日、即位25周年を迎えた。
 記念行事が15日午前の教皇の枢機卿との謁見(えっけん)からバチカン市国で9日間の日程で始まった。枢機卿会議も同日2年半ぶりに招集された。2001年の司教会議でまとめられた「司教の役割」を定めた文書の承認など、教義をめぐる論議がなされた。
 特別ミサはサンピエトロ広場で16日午後6時から強風が時折吹く中で2時間以上にわたって行われた。広場は世界各地から集まってきた凡そ5万人の信者で埋まった。ミサには世界中から集まった約150人の枢機卿のほか、浜尾文郎大司教ら新枢機卿や各国の政府使節団なども参加した。
 教皇は、25年前のこの日264代教皇に選出されると、責任の重さに「震えずにはいられなかった」とのエピソードを披露した。そして最近目立つ健康状態の悪化にもかかわらず、神に託された使命を全うしたいとして、「教皇終身制」の慣例を変える意思がないことを明らかにした。
 ただこの日の教皇は持病のパーキンソン病の悪化で衰えが目立ち、説教は最初と最後の部分を教皇が読み上げ、途中を代理人が代読した。車輪つきのイスに座った教皇はミサ開始直後ほとんど動かず首を傾けたまま。声も弱々しかったが、途切れるたびに信者が励ますように「ビバ・イル・パパ(教皇万歳)!」などと叫ぶ光景もあった。ミサの後半には、両目を堅く閉じ辛いように見えた。
 時事通信によると、25周年に際してイタリアのチャンピ大統領は「教皇の発言は平和や人間の尊厳を示す偉大なもの」と述べた。教皇の出身地ポーランドのクワシニエフスキ大統領は「カトリック教会の代表者であるだけではなく、偉大な人道主義者」とたたえた。ロシア正教会のアレクシー二世総主教も記念日を祝う「兄弟のあいさつ」を送っている。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/10/21