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パトリシア・アイルランド米YWCA会長解任

 【ワシントン=EP・CJC】パトリシア・アイルランド米YWCA会長が、就任わずか6カ月で解任された。同氏は著名なフェミニストで自由主義の推進者。
 AP通信によれば、YWCA全国調整委員会はドリス・ダニエル=パークス氏を暫定会長に任命した。
 オードリー・ピープル理事長は、報道資料の中で「我々は女性問題と社会正義に対するアイルランド女史の貢献に深甚な称賛を送るが、しかしYWCAは彼女がこれらの問題を主張するには誤った場であることが分かった」と述べている。
 『全米女性組織』会長だったアイルランド氏は、この4月にYWCA会長に選任された。その際、アイルランド氏は、145年の歴史を持つYWCAという組織の全国的な著名度と政治活動の強化を図ると語っていた。
 ニューヨーク・タイムズ紙によれば、委員会のメンバーがニューヨークで彼女と会見し辞任を求めたが、アイルランド氏は「逃げ出した」という印象を与えたくなかったので要求を拒否したと語った。
 近年YWCAは主張とか提唱、擁護といったことより再建に力を入れており、彼女が示す提唱のための熱意が「内部からの懸念」を引き起こしたのかもしれないとして、アイルランド氏は、自分の任命で起きたとされる保守派グループからの反対が「急速に事態を悪化させた」とも述べている。
 保守派は、歴史的にキリスト教関係である団体が、キリスト教の理念に反することが明らかな政治的課題を持っているアイルランド氏を会長とすることに実際反対していた。アイルランド氏は、妊娠中絶と同性愛者の権利について長年にわたる支持者。
 団体『アメリカを気遣う女性』のジャン・ラルー主任顧問は、「パトリシア・アイルランドが代表するすべてがYWCAにとっては忌まわしいものなのだ。彼女の解任に関する記事の中で保守派の強い反対が原因だと伝えられたことに非常に元気づけられる」と語っている。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/10/27