教界ニュース

 

米の山火事で教会に被害出たが救援に懸命

 【CJC=東京】米カリフォルニア州南部で多発した大規模山火事はようやく下火になった。煙が空を覆い、灰が降って来る中、キリスト教会にも被害が出る一方、焼失を免れた会堂を避難所に提供したり、救援活動も活発に行われている一端を各派の通信などから探った。
 サンジエゴ近郊で焼け出された人たちはフォルブルックの聖ペテロ教会やクレストの聖ルイーズ・デ・マリラック教会に避難、カトリック系救援団体の世話を受けている。聖ルイーズ・デ・マリラック教会は会員が40世帯という小教会だが地域の救援・相談センターになった形。ロバート・アーウィン神父が指揮して、温かい食事を何百食も出し、飲用水、衣類、缶詰などを、カトリック救援団体、現地企業などの協力を得て提供した。
 サンバーナーディノ山近くの長老派『ビッグベア・コンファレンス・センター』は、ウイリーウッズ地区が猛火に襲われた際、そこのコンファレンス・センターも焼失したので、代わりに地区住民の避難センターになった。しかし28日になってここも退避を命じられる事態になった。
 アーヴィンにある同派パシフィック・サウスウエスト地区事務所は被災しなかったものの「灰が降って来るし、空は暗い。皆咳き込んでいる」と事務のジョイ・ジョーンズさんが語った。
 『長老派災害援助』(PDA)のスタン・ハンキンズ氏は、被害を受けた中会と密接に連絡をとっている。保険支払いや公的助成を受ける際の相談にも応じる構えだ。
 ルーテル派のキャンプ場があるアロウヘッド湖近くのマウント・カルバリ教会にも火の手が向かい、同地区のラリー・ストテロー会長は「今は無力感に襲われている。火事が終わり、何が必要なのか分かるまで、出来ることと言えばひたすら祈ることだけだ」と言う。
 地区事務所から危険地域の教会や学校に電話して事情を聞こうにも留守番電話になるか話し中ばかりで連絡が取れない。
 サンジエゴ郡のバプテスト教会2カ所は、避難や犠牲者救援のため26日の礼拝を取り止めた。
 リバーサイドのキリスト教FM放送局は送信機が25日焼失、放送を中止したが、聴取者の応援で送信機を借り、出力を落しはしたものの28日再開した。番組はインターネットでも聞くことが出来る。
 デルロサ合同メソジスト教会のジョン・ヨーハン・ユーン牧師は25日、少量の衣類だけを持って家族と一緒に牧師館から退避した。同派カリフォルニア・パシフィック地区年会は、同派救援委員会に援助を要請した。
 プロテスタント最大教派『南部バプテスト会議』の教会は焼失を免れ、避難センターや給食場所として利用されている。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/11/03