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アフリカの聖公会など同性愛主教登場に怒り

 【CJC=東京】アフリカ各国など南半球の聖公会(英国国教会)指導者が米ニューハンプシャー教区で公然同性愛者ジーン・ロビンソン氏が主教に任命されたことに非難の声を上げている。
 ナイジェリア教会の指導者ピーター・アキノラ大主教は、ロビンソン氏の任命が「聖体の損なわれた状態」であり、世界規模で教会を分裂させるものだと言う。「我々は任命式に参加した主教たちの行為を遺憾に思う」と声明で述べた。この声明は5000万人以上の信徒を代表する南半球諸管区責任者を代表して発表したもの。
 ケニア聖公会指導者を代表してエルドレ教区のトーマス・コーゴ主教はナイロビで「米聖公会との関係を断った。教会として、我々は、それがまず罪であるから、教会における同性愛を支持しない」と語っている。
 ウガンダ教会のジャクソン・ツリャゲンダ報道担当は、11月2日、ニューハンプシャー教区との関係断絶という姿勢に変わりはない、と語った。ケニア主教団の1人、トーマス・コゴ主教は米国の全聖公会との関係を切ると語った。「聖書的でないからだ。聖書はそのような人が教会で働くことを許してはならないと語っている」と言う。ただケニア聖公会からの公式声明はまだ出されていない。
 他にもオーストラリアのシドニー教区のピーター・ジェンセン主教は、任命を批判して、同教区はロビンソン主教が聖書に定められた基準を満たしているとは見なせない、と語った。ニュージーランドの首都ウエリントンのトーマス・ブラウン主教は同性愛を実行することは聖書と相いれないという聖公会の決意に同意するものの、各国管区の自治を認めている。
 カンタベリー大主教ローワン・ウィリアムズ氏は10月29日、聖公会共同体を分裂に陥れかねない同性愛をめぐる危機を調査するため、アイルランドの首座主教ロビン・イームズ氏を長とする委員会を任命した。ウィリアムズ氏は、今回の分裂の動きを「深く遺憾とする」と述べている。ロビンソン氏の主教任命は教会全体には受け入れられないだろう、と言う。
 イームズ大主教は教会が「未知の領域」に入ったものの、各指導者が一致の保持を望んでいることは極めて明確だとして「再編を妨げられるとは思わないが、分裂を阻止出来るよう心から祈る」と語った。教会が受ける打撃を最小限にするため、1992年に女性司祭の聖職任命に習ったらどうか、と言う。「我々がなおここにいるのは、可能な限り高度に一致を維持するために司牧指針が全世界で牧受け入れられる道を求めて来たからであり、私はそれを繰り返せると信じる」と述べている。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/11/10