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米大統領選で保守派に対抗し自由主義グループ結成

 【ワシントン=EP・CJC】米国の保守派キリスト者グループが来年の大統領選でブッシュ氏再選を目指し活動を始めている中で、進歩派の指導者が再選とその政策に反対する政治グループを組織した。『聖職者指導ネットワーク』と呼ばれるもので、教会、寺院、モスクなどに有権者登録プログラムを提供、棄権防止運動も行う。また資金面でメドが立てば広告も流す計画だ、と同ネットワークのアルバート・ペニーバッカー会長が語った。
 ペニーバッカー氏は『インターフェイス・アライアンス』の前会長。『インターフェイス・アライアンス』は、同性愛者間の結婚合法化を支持し、「信仰に基盤を置いた福祉活動」への連邦予算支出に反対する自由主義活動家の超教派団体。
 『聖職者指導ネットワーク』は『キリスト者連合』のようなキリスト教保守派の声に対抗する、と言うペニーバッカー氏はディサイプル・オブ・クライスト派に属している。
 同氏らネットワークの指導者は、来年の選挙で民主党の大統領がホワイトハウス入りしてほしい、と明言してはいない。しかし大統領や共和党が多数の連邦議会を含め米国の政策決定に変化が必要との姿勢は明確だ。
 同ネットワークは、「信仰に基盤を置いた福祉活動」への助成などの政策により政教分離原則が侵されている、と強く主張する。政策の中には、ホームレスや麻薬患者、アルコール中毒者などのために活動している宗教団体に連邦政府が資金を提供することも含まれる。
 またブッシュ政権が他国をいじめているとして外交政策を批判し、さらには子どもや家庭を犠牲にして裕福層に報いているとして経済政策にも批判的だ。
 一方、『キリスト者連合』のロバータ・コムス総裁は、ブッシュ支持で知られているが、『聖職者指導ネットワーク』が左派の『連合』を目指すことは結構なことだと言う。「それは我々がこの13年間きちんと活動して来たことを示す。我々は政治にまた立法に効果的に働き掛けて来た」とAP通信に語った。
 同連合は内国歳入庁(IRS)から社会事業組織として免税措置を受けている。その活動は多彩。特定の問題について議員がどのような立場に立ったかを調べ、そのデータを有権者の参考に大量配布もしている。コムス総裁は、選挙活動を強化するために、献金を受け取れる政治団体の設立も検討中と語った。
 同連合は共和党に影響力を持っている。今年、立法のためのロビー活動に100万ドル(約1億1000万円)を使った。自宅教育の提案、妊娠後期中絶やクローン人間反対などが含まれている。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/12/01