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オランダの新プロテスタント合同教会は「宗教改革」路線放棄

 【アムステルダム=EP・CJC】オランダのプロテスタント3教派「オランダ改革派教会」「カルヴァン派改革主義者教会」「ルーテル教会」は12月12日、合同に正式合意した。40年越しの道のりの終着点「オランダ・プロテスタント教会」に達したことになる。
 ただこの新教会はプロテスタント教会発生の由来である「宗教改革」路線を放棄することになりそうだ。まず同性愛者間の結婚と女性の聖職位授与式を認めることになろう。
 新教会は会員220万人、オランダ人口の約14%と推定される。
 3教会の総会はアムステルダムの南東郊外にあるユトレヒトでそれぞれ開かれ大半の賛成で合同に踏み切ったもの。「オランダ改革派教会」「カルヴァン派改革主義者教会」では3分の2、「ルーテル教会」では4分の3の賛成が必要だった。
 賛否を決め兼ねていた議員に対し、不満が出た場合には4年後に合併解消を認める修正案が出され、説得が行われた。ただすでに不満を感じている人もいる。保守派は同性愛者間の結婚を認める決定を悔やむ。新教会から離脱して教会の財産や不動産がらみで訴訟を提起しようという動きもある。
 新教会の正式成立は2004年5月1日だが、礼拝が12月12日、ユトレヒトで行われ、テレビでも放映された。
 オランダの歴史は、宗教が占める比重が大きいのが特徴ではあったが、20世紀後半には教会を捨てる人が続出、現在では約4割が不可知論者とか無神論者を自認している。
 ローマ・カトリック教会の信徒は人口の3割を占め、最大教派。イスラム教徒は5%で、新教会に次いで第3位。出産率が高く、移民に占める比率も大きいところから、唯一成長を続けている。以下、ユダヤ教徒、ヒンズー教徒、仏教徒の順。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2003/12/23