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教皇年頭挨拶で国際社会にイラク復興協力呼びかけ

 【CJC=東京】ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世は1月12日、バチカンに駐在する各国大使らと新年の挨拶を交換した。
 バチカン放送によると、この日、教皇宮殿の王宮の間には、バチカンと正式外交を結ぶ174カ国と欧州連合、マルタ騎士団、さらに特別外交関係にあるロシア連邦、パレスチナ解放機構、国連各組織等の代表が集った。
 外交団への挨拶で、教皇は今日の世界状況を見渡しながら、平和構築の急務と、その中における宗教の役割に重点を置いた。
 教皇はまず第一に、紛争に覆われた中東の状況を挙げられ、特にイラクについては、「国民は統治権を再び獲得し、民主的で自分たちに合った形で政治や経済の体制を確立し、国際社会で信頼されるパートナーになろうとしている」と述べ、国際社会に復興への協力を呼び掛けた。
 教皇は、イスラエルとパレスチナについても「武器やテロ、報復はいかなる成果ももたらさない。彼らが折衝のテーブルに戻り、国際社会が具体的にかかわっていくことだけが解決をもたらす」と述べ、解決に向けて国際社会の積極的な働き掛けを要望した。
 バチカン放送によると、教皇は、平和と対話構築の使命の中で犠牲になったブルンジ駐在バチカン大使のマイケル・コートニー大司教と、イラク問題担当国連事務総長特別代表のセルジオ・ビエイラ・デ・メロ氏を想起し、テロや暴力行為を改めて非難した。
 教皇は人類という世界家族の一致のために、カトリック教会をはじめすべてのキリスト者が福音の下に平和の精神を世に示すことができるようにと希望を述べた。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2004/01/19