教界ニュース

 

ロシア正教会は教皇との会談を否定

 【CJC=東京】ロシア正教会は1月27日、ローマ教皇と同教会首長との会談には何も展望がないことを明らかにした。83歳と高齢の教皇は長らくロシア訪問を望んでおり、キリスト教一致推進評議会議長のウォルター・カスパー枢機卿が2月16日から20日までモスクワを訪問する直前のことだけに、関心を呼んでいる。
 教皇のモスクワ訪問は、1054年の東西教会の大分裂以来の両教会の和解につながるとして期待されてはいた。
 しかし「総主教は教皇と会えない」と、ロシア正教会の対外部門の責任者キリル府主教がモスクワで行われた式典の際に、カトリックの宣教師が正教徒を密かに改宗させようとしている、というかねての主張を繰り返した。「双方の指導者が会うなら、互いに抱擁してキスしなければならない。それは偽りの光景になってしまう。この光景は正教徒に伝道している人たちには好都合だ。『教皇と総主教がキスしている。違いはないのだ』と言うかも知れない」と指摘した。
 カトリック教会側は、改宗活動を否定、ロシアのカトリック教会の活動が信徒に仕えるだけのもの、と言う。カスパー枢機卿は、ロシア訪問の間にアレクシー二世総主教と会見が予定されている。
 ただ同総主教は一貫して、東欧の共産主義終焉に貢献し、旧ソ連各国訪問を実行して来た、ポーランド出身のローマ教皇と会うことを拒否して来た。教皇の願い実現はまだ先のことになりそうだ。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2004/02/02