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危険に直面しつつイラク再建に救援団体活動

 【CJC=東京】ENI通信によると、爆撃、自動車ハイジャック、爆発、誘拐といった危険が一杯のバグダッドで、それらを日常的なものとして受け止めつつ救援団体の活動家はその働きを進めている。
 ほとんどがアフリカ、バルカンや他の中東各地で活動して来たベテランだが、バグダッドの状況は最悪だ、と言う。
 独ミュンヘンに本拠を置く『困窮者のための建築家集団』のアレクサンデル・クリストフ氏は「少なくともサラエボでは危険の実態を把握出来たので、判断も可能だった」と言う。
 クリストフ氏のような活動家は、警備陣や防護用のサンドバッグに囲まれて作業をしているが、そんなことは1世代前の活動家には想像も出来なかったことだ。それでもまだ、バグダッドでの緊張に慣れるという所までは行かない。
 2003年8月に起きたバグダッドの国連事務所爆破事件でスタッフが撤退して以来、人道援助団体への脅迫度合いは減っている。とは言え、手投げ弾から強窃盗まであらゆることを経験しない団体はない。
 しかし活動家を本当に疲れ果てさせるのは、日常の単純なことの中にある危険だ。車でバグダッド市内を10分運転するだけでも、米軍の車両の近くにいれば攻撃の巻き添えを食い兼ねない。
 「悪い時に間違った場所にいたというので攻撃されたというなら、それは仕方がないのだが」とクリストフ氏は言う。
 それでも活動を続けなければ、と感じるのは、イラクへの人道的救援が今もなお重要だからだ。
 泥だらけの道路、下水施設はなく、有効な水道もない状況はバグダッド近郊でも見られる。
 イラクの医療専門家は、戦禍、長期にわたって問題がなおざりにされたこと、10年も続いた国際制裁などが医療危機をもたらしたと言う。
 結核などの感染も増加しているが、専門的な医療施設は絶対的に足りない。様々な混乱や特に配送上の問題で必要な薬が入手出来ないことから、欲しい薬があると分かっても、それを入手出来ない「悪循環」にも陥っている、という。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2004/02/15