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「ルフェーブル派」が教皇のエキュメニカルな見解を攻撃

 【ローマ=ZENIT・CJC】マルセル・ルフェーブル大司教が設立した『聖ピオ十世会』は、カトリック教会が「危機」にある、と警告する書簡を発表した。第二バチカン公会議の後に進められたエキュメニカル(教会一致を目指す)な対話がその原因だと言う。
 書簡は1月6日付けで、同会会長のベルナール・フェライ司教他4人の司教が署名し、枢機卿数人に送られた。47ページから成り『エキュメニズムから無言の棄教へ=教皇在位25年間』と表題が付けられている。
 教皇ヨハネ・パウロ二世は日々の公務をこなしているが、「教皇の健康が悪化しているために、我々は直接に書簡を書かなかった」と、署名者は説明している。
 書簡は、教皇始め教会指導者のエキュメニズムに関する立場は、カトリック教会を他教派と同列に置くことになり、独自のアイデンティティーを失わせる徴だと解釈する。2000年に出された教理省宣言「ドミヌス・イエスス」が「イエス・キリストと教会の独自性と救いの普遍性」に触れていることや、エキュメニズムに関しあるいはヨハネ・パウロ二世が、この種のエキュメニズムに対する誤った見解を繰り返し否定していることには触れていない。
 1988年の使徒書簡「エクレシア・デイ」でヨハネ・パウロ二世は、ルフェーブル大司教が聖ピオ十世会内部で司教を序階したことを「不法」とし、「分派行為」となると強調した。ルフェーブル大司教は1991年に死去している。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2004/02/16