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スカンジナビアの教会が、分離壁は国際法侵害、とイスラエルに抗議

 【ストックホルム=ENI・CJC】ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人居住地域を分離壁(防護壁)で隔離するイスラエルの措置に、スカンジナビア各国のルーテル教会が強硬に抗議している。
 「壁は敵意を物語ることになる。子どもが学校へ通うこと、労働者が働きに出かけることを妨げ、壁は敵意を作り出す」とノルウェー教会は声明で述べた。さらに壁が「パレスチナ人とイスラエル人との接触を防ぐ」と指摘した。
 スカンジナビアの教会と平和運動グループは、イスラエル人とパレスチナ人の間の和平促進に深く関わってきており、イスラエルが最終的に700キロまで延ばそうとしている分離壁の建設に対する教会の批判は厳しい。
 イスラエルは、パレスチナ人がイスラエル領土内で自爆テロなどを行うのを阻止するために分離壁が必要だとし、パレスチナ側は、土地や時には町をしばしば分断しており、領土侵略という懲罰的な行為だ、としている。
 ノルウェー教会は、壁の建設中止と、壁建設のために接収された土地の返還を求める声明を発表した。ノルウェー教会エキュメニカル・国際関係協議会が署名した声明は、「自爆テロに代表されるテロ」をも非難している。
 スウェーデン教会は、他派と提携して、国中の教区で「パレスチナの不法占拠を終わらせよう」というキャンペーンが始める。スウェーデン教会のグスタフ・オドクイスト牧師(中東問題担当)は「平和的解決に達する可能性が生まれ、生き残る手段を持ってパレスチナ国家を創設される時、壁は悲劇的なことになる。私たちのキャンペーンはスウェーデン教会の会員とスタッフを動かそうとするものだ」と言う。
 スウェーデン教会のK・G・ハマー総監督とオドクイスト牧師は、欧州連合とイスラエルの条約を結ぶなり中断するなり、結論を出すべきだと言う。もし中断すれば、特恵が与えられているパレスチナ領内でのイスラエル入植者の生産物輸入を止めることになる。
 デンマーク教会の福祉組織『ダンチャーチエイド』のウッフェギエルディン中東プログラムコーディネーターは「イスラエル政府は国際法に従っていない。欧州各国政府に、国際法順守義務に注意を払うよう呼び掛けることを避けるのは不穏当だ」と語っている。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2004/03/09