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ギリシャのアトス山で火災、修道院に大被害

 【ソフィア=ENI・CJC】ギリシャのアトス山で3月4日早朝火災が発生、800年の歴史を持つセルビア正教会のキランダル修道院の大部分が被災した。被害総額は10億円を超すと見られる。セルビア正教会の情報によれば、死傷者はなかった。
 セルビアの日刊紙『ノヴォスティ』は、原因は漏電など電気関係のトラブルという。
 火災や屋根伝いに広がり、岩壁をくりぬいて作られた会堂4カ所など施設の約6割が焼失した。
 修道院の北西部分は、1821年に建設された住居で最近大修復が終わったばかりだったが、そこも全焼した。修道院の本部、応接室や宿泊室もあった。
 1598年に建てられ、最近修復された北東部の「白い住居」も焼失した。聖母マリアに捧げられた中央教会、図書館や金庫には被害はなかった。
 セルビアのドゥサン・バタコヴィチュ駐ギリシャ大使は、修復に数年はかかる、と言う。
 『ノヴォスティ』紙は、ベルグラード政府(セルビア)が修復を援助すると発表した、と伝えている。ギリシャ政府も修復費の一部を助成することを明らかにした。
 セルビアの日刊紙『ポリティカ』によると、テサロニキ駐在のユゴスラヴ・ヴカディノフ総領事が、火災現場に急行した。同氏は、修道士や住民が宗教的文化的に重要なアイコンなどの持ち出しに全力を上げた、と語った。
 エーゲ海北部に突き出た半島をなすアトス山には正教の大修道院が20カ所ほどある。女性と雌の家畜は、1060年にコンスタンチヌス帝の勅令により入山が禁止されたまま今日に至っている。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2004/03/16