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教皇庁の高位職に相次ぎ女性任命

 【CJC=東京】教皇ヨハネ・パウロ二世は3月9日、教皇庁社会科学アカデミーの新会長にメアリー・アン・グレンドン氏(米ハーバード大法学部教授)を任命した。アカデミーは様々な問題に関してバチカン(ローマ教皇庁)がとるべき立場を教皇に助言する機関。
 グレンドン氏は、米大統領諮問委員会で、比較法律学とカトリック社会思想から見た生命倫理や、家族をめぐる法律、労働法などを担当している。ボストン大学、教皇庁立グレゴリアン大学などの教授を歴任。
 1994年の創設以来、教皇庁社会科学アカデミー会員。1995年、北京で開催された第4回国連世界女性会議には、バチカン使節団の初めての女性の団長として出席した。
 また教皇庁国際神学委員会委員にシカゴのセント・メアリ・オブ・ザ・レイク大学のサラ・バトラー修道女とスイス・フリブール大学のバーバラ・ハレンスレーベン氏が任命された。
 今回の任命でグレンドン、バトラー、ハレンスレーベン各氏は女性として初めてカトリック教会の最高位の職に就任したことになる。
 教皇庁の最高職位はこれまで全て男性によって占められて来た。女性の最高職は、女子修道会の会長。
 ポーランド生まれの教皇ヨハネ・パウロ二世は、女性聖職者の可能性を否定する一方で、教会の中で女性の占める役割に関するカトリックの伝統を再確認してきた。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2004/03/16