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中国地下カトリック教会司教逮捕

 【ローマ=ZENIT・CJC】中国地下カトリック教会チチハル(斉斉哈爾)教区の指導者ウエイ・ジンイ司教が3月5日逮捕されたが、14日釈放された。イタリアのアジアニュースが報じた。ウエイ司教はフランス国籍の友人を迎えに空港に行き、空港から駐車料金を支払って出ようとした所、車を止められ、逮捕された。フランス人2人も逮捕されたが、数時間後に釈放された。
 ウェイ司教逮捕のニュースにバチカン(ローマ教皇庁)が強い反応を示した。ホアキン・ナヴァロ=ヴァルス報道担当は、聖座(教皇庁)が「心配し悲しむ」と言い、「どのような状態で起きた」のか、司教に対する罪名を明らかにするように中国当局に要求した。「聖座は、司教の無実を疑う理由が全くない」と、ナヴァロ=ヴァルス報道担当は声明で指摘した。中国外務省は、同司教が出国に当たって書類改竄の容疑で尋問するためだ、と間接的に伝えてきた。
 チチハル教区の信徒は、復活祭の集会や祭儀執行を阻止して同司教の釈放が復活祭後に持ち越されるのではないか、と懸念していたが、全国人民代表大会開催中の14日午後、突如釈放されたもの。中国指導部は、憲法に「信教の自由」とか「人権保障」とかいった用語を採用するか論議しており、今回の司教釈放もこれに関連があると見られている。他の情報筋は、外国人も逮捕にかかわった事が司教釈放につながったと言う。
 アジアニュースによると、中国で刑務所に収容されているか、宣教活動を行えない司教や聖職者は約50人。禁固や強制労働を命じられた聖職者が約20人いる。1996年逮捕された保定教区のジェームス・スー・ジミン司教とフランシス・アン・シュシン補佐は以来ほとんど獄中にある。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2004/03/23