教界ニュース

 

教皇が「ヨーロッパ統一」賞受賞

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)の機関通信『VIS』によると、『国際カール大帝(シャルルマーニュ)賞』特別賞が3月24日、教皇ヨハネ・パウロ二世に贈られた。同賞は、ヨーロッパ統一に貢献した人を表彰する目的で、ドイツ・アーヘン市が設定したもの。
 授賞式はバチカンで、アーヘン市長らによって行われた。式の始めと終わりにはアーヘン大聖堂聖歌隊が奉仕した。
 「ヨーロッパの父」と呼ばれることもあり、欧州統一のシンボルと目されるカール大帝にちなんで命名された同賞は、1950年以来毎年、受賞者を選定している。
 1月22日に同賞委員会は、欧州統合への過程で教皇が果たした多大な貢献と、世界秩序の形成へヨーロッパの影響を与えるための努力、さらにはヨーロッパを分裂させていた『鉄のカーテン』を降ろしたことへの貢献に言及した。
 翌日、教皇庁のホアキン・ナヴァロ=ヴァルス報道担当は、この賞が「教皇個人の関わりとしてではなく、普遍的な人間性とキリスト教によって効果的に推進された価値に基づいたヨーロッパの人々の統一のために聖座(教皇庁)教皇庁のものでもある」と発表した。
 受賞に際して、教皇は感謝の言葉をドイツ語で、「ヨーロッパの連帯はカトリック教会にとって大きな意味があることは理解している。あなた方がペテロの後継者(ここでは教皇を意味している=編集注)にカール大帝の名を取った賞を持って来られたことには、大きな意味がある」と述べた。
 カール大帝のフランク王国は本拠をアーヘンに定めた。カール大帝はヨーロッパの政治的文化的な基盤作りに貢献した、との評価がある。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2004/04/05