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中国教会は抑圧の中でも発展=『アジアニュース』通信のセルヴェレッラ神父

 【ローマ=ZENIT・CJC】現在は釈放されたものの、地下カトリック教会のウェイ・ジンギ司教が逮捕されたことで中国のカトリック者に新たな懸念を生じさせた、と『教皇庁対外宣教研究所』(PIME、本部ミラノ)が発行する『アジアニュース』通信の編集長ベルナルド・セルヴェレッラ神父がインタビューで語った。
 問 ジン司教の逮捕は孤立した事件かそれとも地下教会抑圧戦略の一部と見るべきか。
 答 それは孤立した事件ではない。数カ月前に、政府の支配下に入らないカトリック、プロテスタント、さらには他宗教の地下組織への対策が打ち出された。宗教事務局に登録しない場合、違法であり、「公の秩序を擾乱する」として起訴される例が多い。
 福建省、浙江省、内モンゴル自治区、河南省などでは、政府支配下にある三自愛国会への加盟を強制するため、そしてカトリックの場合、教皇への忠誠をつくそう、と独立教会を形成しているのではないか、と個々の地下信者を広範囲に捜査している。愛国会に加盟しないと収監され、礼拝場所は解体、破壊される。
 問 中国のカトリック者の状況はどうか。愛国会と地下教会との関係はどうなっているか。
 答 愛国協会との関係は悪化する一方だ。この所、政府は事務長に無神論者を選んでいる。その人は自身のイデオロギーと経済的利益を重視して協会を支配している。
 一方で、政府公認教会(官方教会)との関係は良くなっている。地下教会側と公認教会側とは、司教、司祭などの協力が進んでいる。公認教会司教の8割以上が教皇と秘密裏につながりがある。そのために彼らも迫害され、統制下にある。
 問 ローマのアンコラ社から2003年に出された「中国語宣教=市場と抑圧の狭間の帝国旅行」で、中国の経済成長を信じない、理由は人々の権利が侵害され、北京政府の抑圧政策も変わらないからだ、と言われているが。
 答 経済発展を遂げた社会、少なくとも都市の場合、人権と信教の自由を尊敬しない社会は結局、経済的な自由をも重んじなくなる。汚職、暴力、給料不払いなど、中国経済も病んでいることを示す。宗教的な権利を重んじないといった問題だけのことではない。
 問 中国のカトリック者の先行きをどう見るか。
 答 非常に良い。毎年、洗礼が15万以上ある。プロテスタントではさらに多い。
 人々は、資本主義の波には不満を抱き、マルキシズムには幻滅している。貧者は慰めを求め、殉教者は熱狂をあおる。これらすべてが、確固とした価値と人生の深遠な意義を求めることに通じる。そのうえ、信仰を固く守る人々に、若年層、インテリ、プロフェッショナルがいる。社会的な影響の大きい人たちだ。
 ある中国人司教がつい先頃、私に語った。「今は福音のための豊かな時だ」と。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2004/04/05