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米YMCAが同性愛活動家の圧力に直面

 【ダーラム(米ノースカロライナ州)=EP・CJC】1821年、ジョージ・ウィリアムスが最初のキリスト教青年会(YMCA)を設立したとき、彼の願いは、ロンドンの路上に見られる社会悪に、聖書研究と祈りで立ち向かおうと言うものだった。
 計画は成功し、路上にたむろしていた人の姿は消え、その人生はキリストの教えを通して変えられた。それから200年、世界各地に数千個所も存在するYMCAに関係する人は数百万人に上る。
 信仰を基盤にするこのYMCAは、「キリストの教えを実践する」ためにある、と言う。しかし、かつて福音伝道に熱心な人たちだけで設立されたYMCAが、結婚の高潔といったことなどキリスト教伝統を危うくしかねない難題に直面している。
 ノースカロライナ州では、デューク大学がこの3月、YMCAに家族会員資格を同性間のカップルにも適用することを求めたことから問題が浮上した。
 同地のYMCAは同大学従業員やその扶養家族には入会の際に会費を割り引く協定を結んでいる。その見返りに、大学はウェブサイト利用や出版物などでYMCAに便宜を図ってきた。
 3月30日付けの書簡で、同大学のミンディ・コーンバーグ人的資源担当は、YMCAに家族会員資格を同性間のカップルにも適用することを求めた。書簡はまた、YMCAが同性愛者へ家族割り引きを適用しないなら、大学からの助成を止める、と述べている。
 これに対しYMCA側は4月9日、同性間のカップルが割り引き会費でYMCAに加入可能という大学側の理解には残念ながら同意出来ず、規則も変更しない、と書簡で応答した。大学側は、現在協定が中断していると考えるものの、公式に停止してはいないと言う。
 YMCA同盟のアーノルド・コリンズ広報担当は、家族会員制度は個々のYMCAが決めるもので、その内容はさまざまだ、として「全米組織としての同盟が路線を決めるものではない」と語った。コリンズ氏によると、多くのYMCAでは家族の定義を、その州の定めに準じている。しかし、家族会員制の基準を定めるための指針を求めている個々のYMCAのために、同盟は『検討すべき諸問題』をまとめた、と言う。
 コリンズ氏は、家族会員制を同性間カップルにも適用しているYMCAがどのくらいあるか、つかんでいないが、「その数は少ないと思う」と言う。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2004/04/20