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インドネシアのマルク州で「独立」巡り衝突12人死亡

 【CJC=東京】インドネシア東部のマルク諸島で構成されるマルク州の州都アンボンで4月25日、キリスト者グループが、インドネシアから分離・独立して『南マルク共和国』建国を目指すデモを行なった際に、イスラム教徒と衝突、12人が死亡、約100人がけがをしたという。
 キリスト者側が「南マルク共和国」の「国旗」を掲揚したのを、警察当局が旗を降ろさせ約20人を拘束した後、イスラム教徒と衝突したという。暴徒は火炎瓶などを投げ、市内のホテルや住宅のほか、国連事務所に放火した。
 マルク諸島は、イスラム教徒が大多数のインドネシアの中でも、キリスト者が多いところ。オランダの植民地支配に協力的だった一部のキリスト者が1950年4月25日に南マルク共和国の独立を宣言したことから、独立派住民の間では、この日は54回目の「独立記念日」に当たる。
 1999年以降、イスラム教徒との間で大規模な衝突が続き、犠牲者も数千人規模に達している。2001年に和平合意が結ばれ、治安は保たれていたが、今回の衝突をきっかけに、宗教対立が再び激化しそうだ。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2004/04/26