教界ニュース

 

ガザ地区の入植地撤去に米保守派キリスト者が反対

 【CJC=東京】ジョージ・ブッシュ米大統領は4月21日、ワシントン市内の講演で中東和平問題に触れ、パレスチナ自治区ガザからのユダヤ人入植地全面撤退案を提案したアリエル・シャロン・イスラエル首相の対応を「パレスチナ国家建設に向けたチャンスになる」と評価した。
 ブッシュ大統領は14日にアリエル・シャロン首相と会談した際、ガザ撤退案を支持した上で、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地の一部存続を容認する考えを示したため、パレスチナ自治政府やアラブ諸国が強く反発している。一方で入植地を一部でも撤退することにはイスラエル内部でも反対が強い。5月2日、シャロン首相の一方的撤退提案が右派与党リクードの党員投票で反対多数となった。
 ブッシュ大統領は「首相の提案を和平に向けた勇気ある重要な一歩と歓迎する姿勢は変わらない」との声明を出し、シャロン首相擁護の姿勢に変わりはないが、米国でも保守派キリスト者の中には、聖書で約束された地からの撤退には反対の声も上がっている。
 ブッシュ大統領の一連の発言は、秋の大統領選に向けて国内のユダヤ人票を意識したものと見られるが、選挙情勢は複雑化する一方だ。
 米国の強力な親イスラエル・キリスト教組織『イスラエルのための全米一致連合』は、ジョージ・W・ブッシュ大統領に、ガザ地区にあるユダヤ人入植地を撤去する、というシャロン首相の計画を支持するなら、次期大統領選挙で、激しい反発に会うことになる、と警告した。同連合は、米国でキリスト者とユダヤ人数百万を組織している200団体で構成されている。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2004/05/04