教界ニュース

 

ピッツバーグの保守系長老教会が中会との関係断絶

 【CJC=東京】米ピッツバーグ近郊の長老教会(PCUSA)に属すビバリーハイツ合同長老教会は保守的な姿勢を保ち、同性愛聖職者を禁止する教会規則の変更を図ることに耐えられない、とし中会との関係断絶を決めた。
 同教会のリチャード・ウォリング牧師は、同派内の10中会に属す他の教会とは交わりを持たず、その会員とは聖餐も共にしないことを意味する決定だ、として「私たちの行為は教憲に規定されていることに従ったのではない。私たちは聖書に添って行動したのだ」と言う。
 またこの決定は、「私たちの改革派の信仰を堅持出来なかった」として、クリフトン・カークパトリック大会議長をも批判している。現在の所、ケンタッキー州ルイビルの同派本部からコメントは出ていない。
 PCUSAは1997年、全聖職者と指導的立場にある信徒に、異性間結婚か「独身の貞操」を順守することを教規に付け加えた。牧師以外に、長老、執事、選挙により任命された役員も対象にしている。
 自由派はその後2回、条項撤廃の修正を提案したが、いずれも賛成少数で否決されている。修正を支持しているのはコネチカット、アイオワ、メリーランド、ミシガン、ミネソタ、ニューヨーク、オハイオ、ワシントン特別区などの10中会で、バージニア州リッチモンドで6月末に開かれる大会で教規修正を提案する計画。
 ビバリーハイツ教会長老会は、会員、長老、牧師が「別の場所で行われる個人的な祈り以外は、中会に害を与える人たちには、いかなる共感もしてはならず、和解のための少しの妥協も直接してはならず、第三者を通じてもそうしてはならない。(これらの中会)は、より大きな教会に、自らの異端の見解を押しつけ、派内の平和、一致、貞潔を損ない続けた」と決議している。
 ウォリング牧師は、他の教会が同様な行動を取るか分からないとしたものの、同調することを望んでいると言う。
 一方、同性愛者、両性愛者、性転換者の教会への完全な参画を目ざし活動している『モア・ライト・プレスビテリアン』のドンナ・ライリー氏は「生涯を通じての長老派として、私はこのようなことは初めてだ。何か意味があることなのか分からない。長老派の見地からすれば本当におかしい」と語った。
 ライリー氏は、ビバリーハイツ合同長老教会の行動は分派的と思うとして「これは動揺し恐怖に捕らわれたあまり、完全に不合理な対応をした教会の例だ。同性愛嫌悪を定義すればこうなるのだろう」と指摘している。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2004/05/04