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教会指導者は欧州連合拡大を歓迎、新たな分裂懸念

 【ジュネーブ=ENI・CJC】欧州の教会指導者は、東欧などの10カ国が新たに加盟して欧州連合が拡大したことを歓迎したが、同時に、それが新たな分裂をもたらす可能性があることに懸念の意を表明した。
 フランスのプロテスタント指導者で欧州教会協議会議長のジャン=アルノルド・デクレルモン牧師は4月29日、プロテスタント、正教会、カトリック信徒らがブリュッセルで会合を開いた際に、拡大した欧州連合が正義といった価値に基礎を置くべきだ、と述べた。
 「正義に基づいて行動することは、25のメンバーで構成され、大小を問わず発言権がある欧州、その業の核心に社会正義を置き、移住者や亡命者を歓迎し、貧困に全力を挙げて闘う欧州のためのことである」と言う。
 欧州教会協議会はプロテスタント諸派、英国国教会(聖公会)、正教会などのほとんどが加盟している。
 今回加盟するのはチェコ、キプロス、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、マルタ、ポーランド、スロバキア、スロベニアの各国。これで欧州連合は25カ国、4億5500万の人口で構成される世界最大の通商地域となる。
 ドイツのプロテスタント教会指導者は「東西双方で多くの人が社会的経済的に何が起こるか不安を抱いている。東欧から流入する労働者との競争を懸念する向きもある。現行の社会福祉構造が、激烈な競争の下で崩壊するかもしれない。それでも欧州各国を結び付けるものは分裂させるものより強い。今や独裁と冷戦によって引き起こされた欧州分裂を克服した。問題は我々の共通の利益を強めることが問題なのだ」と指摘している。□

KIRISUTO.INFO Last Update : 2004/05/10