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映画「パッション」がアラム語への関心呼び起こす

 【CJC=東京】カトリック通信『アジア・ニュース』によると、メル・ギブソン監督の映画「パッション」が5月7日に公開されたインドで、この映画で話されるアラム語への関心が高まっている。アラム語の基礎を学びたい、という問い合せが欧米から来るという。
 アラム語はイエス・キリストが話した言葉として、映画では現地語訳が字幕で出ると言う。ただアラム語は時間の経過と共に分化し、イエスが話した方言は、その後消滅したとされている。
 インドではケララ州でアラム語が数世紀もの間、典礼の言語としてキリスト者共同体で使用されていた。
 インドには『東方シリア・カルデア教会』という小規模の、しかし最古のキリスト者共同体がある。その首長マル・アプレム府主教は「アラム語独習」の著者。この所のアラム語への関心の高まりが映画「パッション」による所が大きい、と見ており、論文「アッシリア教会史」に、映画公開後、著書の売り上げが急増した、と記している。
 同氏によると、世界中の約150万人がアラム語を知っている。もっとも現代アラム語は、イエスが話していたものとは違いがある。アラム語は文法的には難しい言葉でないが、英語やケララ州で使われているマラヤラム語よりは難しい、と言う。
 教会図書館にはアラム語の著作が約100点収蔵されている。中には、16世紀にケララの住民が書いた祈祷書などがある。□

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