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独教会指導者が中絶された胎児の葬儀を提案

 【ハノーバー=IDEA・CJC】ドイツのプロテスタント教会指導者が、死産や中絶された子どものための葬儀を提案している。
 6月2日から4日までハノーバーで開催されたハノーバー福音ルーテル教会総会に提出した報告書で、マーゴット・ケスマン監督(46)は「私たちが、遺伝子工学論議で胎児が原初的な人間だと主張するなら、埋葬を行うかどうか、を胎児の重量で決めるべきではない」、と指摘した。
 妊娠中絶した女性は、その子を悼み、追憶する場を欲する可能性がある。「他者から非難され、また自身の罪悪感に直面してその深い悲しみを示す場をどこに見出したらよいのか」と言う。それら女性にキリスト者が、より多くの愛と、より少ない軽蔑を示すことをケスマン監督は望んでいる。
 同監督はまた、死とキリストの復活のメッセージを公然、明確に告げるように奨励している。このようにして、キリスト者は中絶合法化の流れに対抗出来るかもしれないと言う。
 何よりも、苦しみが人間存在の一部であると強調するべきなのだ。さもないと、病気を罰と見なすような健康絶対の教義に従いかねないことになる。
 同監督は、ドイツで非宗教的な葬儀が増加していることを懸念している。プロテスタント信者が死去した際に教会で葬儀が行われた例は88%に止まっている。いわゆる「自由葬儀伝道者」が500人以上おり、葬儀を執行に応じている。
 教会がもっと考えなければ、と同監督は言う。例えば、一般の葬儀社は24時間、電話受け付けを行っている。教会も、同様のホットラインを設置べきだ、と示唆する。
 ケスマン監督は、葬儀が独特な福音伝道の機会だ、として「もし私たちが、復活の望みについて正しく確信をもって語れば、このメッセージが安らぎを提供するだけではなく、聞き手の人生に信仰の力をもたらすことになる」と語った。□

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