教界ニュース

 

イスラム世界に宗教の自由進展の兆候=レバノン人ジャーナリスト指摘

 【ローマ=ZENIT・CJC】聖地を始め、イラク、サウジアラビアでのテロにもかかわらず、中東の専門家は、アラブ諸国で宗教の自由が進展していると言う。イタリア在住のレバノン人ジャーナリスト、カミール・エイド氏が「2004年の宗教の自由に関するレポート」で強調している。このレポートは、援助を必要とする教会を助ける教皇庁の組織がまとめたもの。
 アラブ世界に関する項目に協力したエイド氏は、イスラム圏には「イスラム法に基づく差別があり、それはイスラム教徒を他宗教に改宗させることの禁止から、イスラム教徒以外の市民をイスラム法に従わせることにまで至っている」と言う。
 「この3〜4年間、男女間の平等など民主的意識における改革はかなりの改善された。近い将来には信仰の自由でも改善が見られそうだ。たとえばモロッコで採択された新家族法『ムダワナ』や、イラクの暫定憲法にもその兆候が見られる」と語った。
 エイド氏は、しかし英経済週刊誌エコノミストが発表した、アラブ諸国の宗教の自由ランキングによると、湾岸諸国が「0」と最低だった、と指摘する。
 「カタールは、宗教の自由に関するイスラム教とキリスト教の対話会議がこの6月に行われるなど、大きな進展を見せた。この会議では次回にはユダヤ教も加えたい、と同国指導者が発言している。一方クウェートでは、少数派シーア派共同体の状態が改善される一方で、非イスラム教徒の教義教育を法律で禁じている」と言う。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2004/07/12