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無信仰の牧師裁判、世論は「問題ない」

 【コペンハーゲン=ENI・CJC】創造主としての神を信じないと公言したため、教会審判に付されることになったトルキル・グロスボル牧師に、デンマーク人の大部分は「問題ない」という姿勢であることが最近の調査で分かった。「デンマーク人の大部分は聖職者の神学については心配していない。彼が明るい緑色の水泳パンツで教会に来たとなれば、問題になっただろうが」と、エピニオン調査所のペーター・ルーハウ氏。
 グロスボル牧師は、世界の創造主としての神を信じない、と述べて、監督から聖務停止処置を受け、現在、教会審判に付されている。デンマーク教会(ルーテル派)は国教会なので、教会審判も国家機構の中にある。
 人口の84%が名目上は国教会に属しているが、グロスボル牧師の問題は、様々な議論を呼んだ。
 調査対象者897人の45%は、不信仰であっても牧師職に止まって欲しい、とする一方40%は反対している。「我々の調査では、教会は誕生、結婚、死などの際に何かすばらしい状態に人々を結びつけるものであって、聖職者の信仰は重要でない。聖職者が洗礼、結婚、埋葬のときにやるべきことをやっていさえすれば、人々は満足している」と、ルーハウ氏はキリスト教紙に7月16日語った。
 デンマーク教会には監督が10人いるが、その1人カーステン・ニッセン監督は、一般の人がグロスボル牧師の問題を理解していないことを調査が示したと指摘する。多くの人が、信じていないのは神が6日間で地球を創造したことに関するものだと思っているようだが、実際には、より広い問題を提起している、と言う。
 ニッセン氏は「聖職審判では、グロスボル牧師が独立した実体としての神への忠誠を放棄し、神を純粋に人間的なものにするのかどうかをはっきりさせなければならない」とし、審判の結果は、決して民主的な票決で決められてはならず、「客観的な神学評価」によらなければならないと語った。
 聖職者を対象にした別の調査では、63%が、グロスボル牧師の神学がデンマーク・ルーテル教会の範囲内にあるとは思わないとしている。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2004/08/10