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英国、医療目的のヒトクローン胚使用を認可、教会は反発

 【CJC=東京】英政府の「ヒトの受精・胚(はい)研究認可局(HFEA)」は8月11日、英ニューカッスル大学の研究グループに、医療目的でヒトクローン胚(はい)から胚性幹細胞(ES細胞)を作る研究の許可を出した。国としてヒトクローン胚作りを認可したのは世界で初めてという。
 研究は糖尿病、パーキンソン病やアルツハイマー病などの新しい治療方法の開発が目的。
 英国内通信『PA』は、計画通りに研究が進めば、韓国に続き世界で2例目のヒトクローン胚からのES細胞作成に成功する可能性があるとしている。
 ヒトクローン胚の作製について、英国は医療目的の研究などに限り認めているが、独仏は全面的に禁止。米政府は胚作製に対する予算拠出は認めていない。日本は、厳しい条件付きながら認める方針。
 英国当局が胚性幹細胞を作る研究の実験を許可したことに対し、カトリック教会は断固反対の姿勢を表明した。
 教皇庁のナバロ=バルス報道担当は、これまでも機会あるごとに繰り返してきたカトリック教会の反対の立場を強調した。カトリック医師協会国際連盟も「胚の状態であろうとも、いかなる形の人間の殺害も倫理的に容認しがたい」と実験許可を厳しく非難している。□

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