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教皇が返却するカザンのイコンは「単なる複製」とアレキシー二世

 【CJC=東京】ロシアのウラジミール・プーチン大統領は8月13日、ロシア正教会の最高指導者モスクワ総主教アレキシー二世を、完成したばかりの新居に訪問した。総主教は心臓疾患から回復したばかりだったが、教会の将来について語り、大統領に昼食を提供した。
 経済紙『コメルサント』によると、新居は総工費約8億円、3階建て約5000平方メートル。
 バチカン(ローマ教皇庁)が8月28日の聖母の永眠(生神女就寝)の祭日に、教皇ヨハネ・パウロ二世が私室に保管している聖母マリアを象った「カザンのイコン」を、教皇の意向に基づき返却することに触れて、総主教は「イコンが奇蹟の有様を複製したものの一つというだけのことなので、教皇が個人的にそれをロシアに持ってくる必要は全くない。しかし枢機卿2人がクレムリン内の大聖堂で私へイコンを渡すことに同意した」と語った。
 教皇は、自分でイコンを返却し、ロシアを訪問した最初の教皇になることを望んでいたと伝えられるものの、ロシア正教会側は、伝統的に正教会の領域とされるところで、カトリック教会が改宗活動を進めているとして反発するなど、教皇訪問の時期ではない、としている。□

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