【CJC=東京】ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世は8月25日、ロシア正教の信者の敬愛を集めているイコン(聖画像)「カザンの聖母」を同正教会の総主教アレクシー二世に約100年ぶりに返還する式典をバチカン(ローマ教皇庁)で行った。教皇は式典で「和解とキリスト教会の統一を願う」と述べた。
一方、バチカン使節団が27日にモスクワを訪問、ロシア正教会モスクワ総主教座のアレキシー二世にイコンを手渡した。アレキシー二世は、使節団のワルター・カスパー枢機卿に、感謝の意を表したが、教皇のロシア訪問についてはまだその時期ではない、と語った。
アレキシー二世はかねてバチカンの「東方拡張主義」と批判しており、教皇訪問にも消極的。
イコンは縦31センチ、横26センチの、宝石をちりばめた聖母子画像。バチカンが入手以来、教皇執務室の机上に置かれていた。□