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「クムラン神話」破壊の動きに反発の声

 【CJC=東京】最近の「クムラン神話」破壊の動きに、ファンダメンタル派の支援を受けて発掘を進めている側では、クムランにはエッセネ派の「最古の修道院」があった、と8月16日反論した。「クムラン教団」が居住したとされる場所で、実際に死海文書が書かれたという証拠を発見する、と言う。
 1950年代から、多くの研究者がクムランがエッセネ派集団の居住地であり、彼らが死海文書を執筆した、と主張して来た。しかし、イスラエル紙「ハアレッツ」が最近の発掘によって、クムランには何ら特異なことはない、とのユヴァル・ペレグ氏の主張を紹介した。同紙がその後の動きを報じたもの。
 米ニューメキシコ州アルバカーキのトリニティ・サウスウエスト大学のランダル・プライス準教授は「自分たちも発掘しているが、クムランが何ら特異な点のない所だとは言えないと考える。だ研究されておらず、未発表の非常に重要な発見がある」と言う。
 最近の発見には、獣骨が詰まった大きな壺があるが、これは遺伝子調査中だ。研究者は、書簡が書かれた皮革がそれらの動物のもの、と立証可能だと信じている。
 ファンダメンタル派が支援する発掘では、研究が歪曲される可能性があるという主張に対し、イスラエルのアドバイザー、オレン・ガットフェルド氏は「自分たちの信仰にそぐわないものでも、あらゆる調査結果を発表する」と約束した。支援者の代表、ゲーリー・小レット博士は、発掘の如何にかかわらず、自分始め多くのキリスト者にとって重要な、神の言葉の現実の証拠として、クムランが「聖地」だと信じ続ける、と語った。□

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