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ナチス・ドイツからの救出に貢献したフランシス・ハリー・ハウス司祭死去

 【ジュネーブ=ENI・CJC】英国国教会の司祭でラジオ・ブロードキャスターとしても知られ、ヒットラーのナチス・ドイツで迫害されたキリスト者やユダヤ人救出に努力したフランシス・ハリー・ハウス神父が9月1日死去した。96歳。
 ロンドン聖パウロ大聖堂のアラン・ウェブスター前主任司祭は、『ガーディアン』紙に「彼の勇気、言語力、正義感が、1930年代に学生としても司祭になってからも、数知れない危険な旅の信用出来る代理店役を務めさせた」とコメントしている。学生時代は『学生キリスト教運動』や『世界学生キリスト者連盟』(WSCF)の旅行係として、戦雲がヨーロッパを不気味に覆った時にはバルカン諸国で活動した。
 1938年、ユダヤ人迫害が激化した「クリスタルナハト」(水晶の夜)の時にはドイツで、またそれより前にはドイツ軍に侵略されたウイーンで活動した。
 43年にはボルシェビキ革命以来の最初の英国国教会代表団のメンバーとしてモスクワを訪問、流暢なロシア語で貢献した。
 第二次大戦後、発足したばかりの世界教会協議会(WCC)青年部門の初代担当幹事を務め、1947年から55年までは英放送協会(BBC)の宗教放送部長を務めた。その後、WCC副総幹事に就任、61年のニューデリー大会に際しては、教会一致を目指した声明作成に貢献した。
 62年に、英国に戻り教区牧師になったが、エキュメニズム(教会一致)の熱烈な支持者であることは変わらなかった。後にイングランド北部チェスター郡で教区代理になったが、新任主教が「エキュメニズムを嫌っていた」ことから辞職した。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2004/09/20