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オランダはキリスト教国、とバルケネンデ首相は確信

 【アムステルダム=ENI・CJC】オランダがキリスト教国であることは確かだ、とヤン・ペーター・バルケネンデ首相が新聞インタビューで語った。ただその内容は、過去にそうであったものとは異なっている、と言う。
 「だれも教会に行かなくなったにしても、それでキリスト教の基盤が洗い流されたことを意味しない。その点で、オランダはなおキリスト教国だ」と同首相がインタビューで述べたもので、9月11日発行の日刊紙『NRCハンデルスブラット』に掲載された。
 同首相は9月7日、欧州の中核的な価値をテーマにハーグで行われた会議で発言したのを受けて、インタビューが掲載されたもの。会議はEU(欧州連合)の現議長国オランダ政府の主導で開かれた。
 「価値と規範」に関する正式な議論は、ベルケネンデ首相が2002年にまず提唱した。その年。与党『キリスト教民主同盟』の指導者として最も人気を集めていたベルケネンデ氏は首相に就任した。
 ただ同首相は、1950年代生き残りの反対勢力からは批判を受けている。当時のオランダは厳しいキリスト教規範が支配していた。同首相は改革派教会に属す熱心なキリスト者。
 オランダでは急速な世俗化が進み、また最近の10年間、イスラム教徒の移民を多数受け入れた。その大部分はトルコとモロッコからの流入だ。それでもキリスト者は国内で1600万人口の約半数を占め、最大の宗教グループを構成している。ただ人口の約40%は、無宗教としており、またイスラム教徒も5%を超えている。
 イスラム教はヨーロッパの遺産とアイデンティティの一部を構成している、と同首相は言う。「私たちはヨーロッパの精神に関し、ヨーロッパ人共通のアイデンティティに関し話している。ヨーロッパでは、ギリシア、ローマ、そしてユダヤ=キリスト教の伝統だけではなく、イスラム教やアラブの影響も受けている」と言う。
 バルケネンデ首相は、トルコのEU加盟を支持し、「トルコは中東のイスラム教諸国に強い影響を与えられる」と言う。
 同首相はまた、全ヨーロッパの多文化主義を支持している。それは伝統的な民族のアイデンティティを固守する一方、新しい文化を統合しつつバランスをとろうというもの。政府が追求している国策に反する、という新聞の指摘を同首相は一蹴した。□

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