教界ニュース

 

ナイトクラブの十字架に宗教指導者が抗議の共同声明

 【ロンドン=RNS・CJC】英スコットランドのアバディーンで、ナイトクラブが改装に当たって、十字架などキリスト教のシンボルを利用したことに、各派教会指導者が一斉に非難の声を上げている。
 問題の店『チャーリーのナイトクラブ』が『ザ・クロス』と名前を変えて再開したが、十字架を内外装の中心テーマにし、入り口ドアには巨大な金属製の十字架を飾り、教会の掲示板に似せた案内板は十字架の電飾付きという念の入りよう。
 スコットランド聖公会のブルース・キャメロン首座主教(アバディーンとオークニー教区)、カトリック教会アバディーン教区のピーター・モラン司教に、スコットランド教会(長老派)アバディーン中会を代表してイアン・エイトケン牧師ら各派指導者加わって、十字架の使用は不快であり、意味がないと非難する共同声明を発表した。
 「キリスト者はスコットランドで今や少数派であるが、それでも十字架は、文字通り全地上数十億人、その多くが世界一貧しい人たちにとっては苦難と希望の強力なシンボルなのだ。それをナイトクラブの装飾に使うというのは、無意味と言う以上に愚劣なことだ」と言う。
 共同声明は、ナイトクラブの所有者が、イスラム教やユダヤ教の神聖なシンボルに対しても同様に侮辱するとは信じ難いとし「商業的に有利と推定して、キリスト教の最も崇敬されるシンボルを不快に使うということは、無知で行ったものではない」とも指摘した。
 ナイトクラブのオーナー『G1・グループ』はスコットランドのバーやレストラン関係では有力企業であるところから「同社が、社会をを包括する様々な宗教的、道徳的な伝統に敬意をはらうという、他者に寛容な社会としてのスコットランドの有り様を是認出来ないことは、非常に残念だ。」と、声明は述べている。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2004/10/05