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教皇、医療関係者に「末期患者の緩和治療」で示唆

 【CJC=東京】教皇ヨハネ・パウロ2世は11月12日、バチカンで開催された医療国際会議の参加者と会見した。バチカン放送が伝えた。
 同会議は教皇庁保健従事者評議会(議長:ハビエル・ロザーノ・バラガン枢機卿)主催で、「末期患者の緩和治療」をテーマに11〜13日行われた。
 世界73カ国、約650人の医療関係者に教皇は「医学は常に生命に奉仕する立場にある」と述べ、もし医学がある病理を打ち負かすことが出来ない時、末期患者を含むすべての人間の譲りがたい尊厳を認識しつつ、患者の苦痛を和らげる緩和治療を実施すべきだと述べた。
 また、近年議論されている安楽死については、「誰が生きて、誰が死ななければならないかを決めようとする思い上った倫理観」や「同情や人権を考える上での不理解」から来るものとし、苦痛や老齢、死に直面した状態にあっても人間の本質的尊厳は変わらず、痛みを完全に絶ち切るために命まで消してしまうという考えは、医学倫理の根本に反すると指摘した。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2004/11/17