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中国は無神論の復活を指示、と米誌『ワールド』

 【ワシントン=EP・CJC】中国北京の「家の教会」指導者ツァイ・ズオファ氏がこの9月、公安当局に逮捕された際、聖書やキリスト教文書20万点が倉庫から押収された。当局が逮捕を「中華人民共和国の設立以来の海外からの宗教侵略で最も重大な事件」と説明したことが、改めて注目されている。
 米誌『ワールド』によると、テキサス州に本拠を置く援助団体『チャイナ・エイド』のボブ・フー氏が11月17日明らかにした中国の宗教政策を示す文書は、中国共産党中央委員会が5月27日に出した指示で最高機密とされ、内部で配布されたのは僅か750部だという。
 指示は宗教、または「悪魔の教え」で中国を不安定にさせる「西側の」を試みに対抗してマルキシズムを広めることを目的にしている。
 指示の日付と内容から、キリスト者の逮捕がなぜ6月に突然始まったかが明らかになった。6月から8月の間で毎月100人ものキリスト者を逮捕、抑圧はその後も続いている。また指示の内容から見て、ツァイ氏の逮捕の理由と厳刑に処せられる可能性が推測される。
 「最高権威が発したものだから地方当局は皆この指示に従わなければならない」ので、指示によって「家の教会」のキリスト者、長らく抑圧されている法輪功のメンバー、非公認仏教徒やイスラム教徒にとって「より厳しい」状態に陥る、とフー氏は見ている。
 10月に、中国政府は宗教団体に対しより多くの自由を認め、当局の権限を制限することを明らかにし、宗教政策に「変革」を進めていると語った。新政策は中国の宗教政策のパラダイム・シフト(理念的大変革)だと言う。
 ただワシントンに本拠を置く『宗教と政策研究所』のジョセフ・グリーボスキー所長は「人々が何でも欲するものを自由に信じることができるとは、中国政府がいつも言うことだ。信仰とそれを表明することの区別は政府次第だ」と語った。
 米国務省の2004年の宗教の自由レポートによると、中国では約3000万人のプロテスタントと少なくとも500万人のカトリックが非公認の「家の教会」で活動している。
 非公認教会は活動が認められていないが、現状は地域によって規制の度合いはさまざま。何百人ものキリスト者が家庭で自由に集会し、それを当局が黙認しているところもあれば、少数で聖書研究をしようとしていた所を摘発された例もある。信者が急増しているところで抑圧、迫害が顕在化していると見られる。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2004/11/30