【ローマ=CJC】「ミロのヴィーナス」の唇が赤く塗られ、目は青く、金髪だと想像すると、そのイメージが大きく変わることは必至。だからそれをまともに受ける人はいないかも知れない。
バチカン美術館の新しい企画展示は、古代人には彩られた像が別に珍しいものではなかったことを示している。顔料を使った色彩豊かな像は、聖堂や家の中庭で際立っていただろう。
しかし、現代人の目は、ギリシャ、ローマの彫刻の白い外観に慣れているので、バチカンの展示品にはびっくりさせられ、ショックを受ける入場者もいそうだ。
同美術館のフランチェスコ・ブラネッリ氏は「当時の人の目で見ようとしなければならない」としてこの企画を準備した、と言う。
企画展示「白の色」には彩色された複製品が15体陳列されたが、その中の幾つかには白色の大理石オリジナルも並べられている。□