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カンタベリー大主教が同性愛主教問題で米聖公会を批判

 【CJC=東京】英国国教会(聖公会)の霊的最高指導者カンタベリー大主教ローワン・ウイリアムズ氏は11月29日、聖公会共同体を構成する世界38国の教会指導者に書簡を送り、その中で同性愛主教任命をめぐり対立が深まっている米聖公会を批判した。
 米聖公会では、同性愛者であり男性との同居を公言しているジーン・ロビンソン氏を2003年にニューハンプシャー教区主教に任命して以来、議論と対立が深刻化している。
 聖公会共同体内部で、アフリカなどの保守派から反発の声が上がり、検討を委託されたランベス委員会が発表した報告書『ウインザー・レポート』では、米聖公会を分派的行動だとして、教会内に分裂を引き起こしたことに謝罪するよう、指導者に要求した。ロビンソン主教の解任までには踏み込まなかったが、ランベス委員会は米聖公会内部で同性愛者の聖職任命を「より広いコンセンサスに達することができる」まで停止するよう勧告した。
 『ウインザー・レポート』を受けて、米聖公会のフランク・グリズウォルド総裁主教は、ロビンソン主教任命で発生した難局に「遺憾」の意を表明した。しかし、教会が「同性愛をオープンに議論し、さらに認知される社会」で存在しているとして、任命自体について謝罪することは拒否した。
 カンタベリー大主教の書簡は、グリズウォルド主教の謝罪が「そのように感じたことは遺憾だ」と言っているだけで、それ以上のことがなく不十分だとし「遺憾」から後悔が生まれるべきだ、と強調している。□

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