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2004年の宗教ニュース、米記者が選定

 【コロンバス(米オハイオ州)=ENI・CJC】ジョージ・W・ブッシュ大統領再選と論争を呼んだ映画「パッション=キリストの情熱」(パッション・オブ・ザ・クライスト)が2004年の宗教ニュースのトップに、米国の宗教ジャーナリストが選出した。
 一般メディアの宗教記者による組織『宗教記者会』(RNA)が30年以上にわたって行ってきたもの。投票は、会員260人を対象に12月10日から14日までオンラインで行い15日に結果が発表された。会員108人がそれぞれニュース20本を回答した。回答率41%。
 映画「パッション」は、2004年2月に公開され、世界的なヒット作になったが、反ユダヤ主義だとの非難を浴び、上映阻止へ暴力沙汰も引き起こした。ブッシュ再選は米国で福音主義キリスト者の存在に改めて関心を向けた。その支持がなければ、再選はなかったという分析もされた。ブッシュ氏と民主党のジョン・ケリー候補の信仰自体が選挙期間中、論議の対象にもなったことが、記者の関心を呼んだもの。
 また映画「パッション」のメル・ギブソン監督を「宗教ニュース・メーカー」に選定した。同監督は投票の51%を獲得、ブッシュ大統領は40%で2位だった。
 トップ10位は次の通り。
 (1)大統領選挙運動と選挙自体に宗教と価値観が主要な役割果たす。
 (同)映画「パッション」が記録的な観客動員、反ユダヤ主義を喚起する可能性についての論議や、暴力、聖書への信仰を呼び覚ます。
 (3)同性間結婚がマサチューセッツ州で初めて実行されて、他州にも動き広がる。
 (4)カトリック教会大司教と司教が、妊娠中絶に賛成する政治家の聖体受領を否定する発言。カトリック信徒のジョン・ケリー大統領候補指名を意識したものと見られた。
 (5)ニューハンプシャー州で同性愛者を主教に任命したことに世界的規模で対立が発生、聖公会共同体委員会が双方を批判。
 (6)連邦最高裁が忠誠の誓いで「神の下に」を認め、技術的な基盤での宣教研究への奨学金使用を無効とする判決。
 (7)イラクでの米国の役割めぐり続く議論。宗教団体も米軍撤退要求と支援強化に分かれる。
 (8)同性愛説教者2人が合同メソジスト教会で審判に付される。
 (9)カトリック教会の性的虐待問題はカリフォルニア州オレンジ郡の和解が最大規模に。ポートランドとツーソン教区はそのために破産、スポーケン教区も検討中。
 (10)イスラエル・パレスチナ紛争で高度の緊張続く。長老派は、ガザとヨルダン川西岸地区のイスラエル占領から利益を得ている企業からの投資引き上げを呼び掛け、ユダヤ人団体は不満。□

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